
5周年を迎えて
- info031696
- 8月26日
- 読了時間: 4分
更新日:5 日前
皆様
いつもありがとうございます。2025年8月8日をもちまして5周年を迎える事が出来ました。心より感謝申し上げます。
5年前は2020年、パンデミック真っ只中でのオープンでした。正直、お店を始めた当時は、このままだと半年も持たないと絶望しかありませんでしたが、皆様の厚いご支援と温かい激励で何とかこれまで営業を続ける事が出来ました。改めまして御礼を申し上げます。
この経験のおかげで、いつも前向きに強い気持ちで営業が出来ております。
5周年を迎えるにあたり、お祝いの品やお祝いのお言葉をいただいた方々へ感謝申し上げます。ありがとうございました。
まず5年、次は10年、20年と普通は想像すると思いますが、今のお店をずっと長く続けようとは考えておりません。時代は変わり求められる事も変わり、自分の気持ちも変わります。
今5年を迎えて、自分の中で次に進むイメージが少しだけ見えました。もうしばらくはこのままミザンセーヌとして、この場所で続けるつもりですが、自分の人生として、料理人として、このまま終える予定はありません。
皆様も好きだったお店が移転や閉店をされ、残念な思いや悲しい思いをされた経験があると思いますが、是非好きなお店には通ってあげてください。
良いお店はそれが励みになり、還元する事を考えるはずです。つまり相乗効果が生まれます。
一期一会、人生は一度きり
レストランはお腹を満たすだけの飲食店ではありません。心と心を通わせて、お互いの心を満たす、そんな場所です。そういった意識が満遍なくあるかといえば、まだまだそういうご利用の方は少ないです。こんな場所で発信しても微力でしかありませんが、これを見て少しでも受け止めてくださると幸いです。
昨今、新しいお店が続々とオープンしていて、以前に比べて食への関心も増しているように体感としてあります。その反面、お店側が金額に対して真摯に向き合っていないお店も見られます。
お店で食べる食材は、普段見かけないものも多く、良質な食材で打倒なのか、低品質な食材で料金設定が高いのか、分からないと思います。それは勉強しない限り難しいです。
例えば、和牛、A5ランク、フォアグラ、トリュフ、キャビアみたいな、いかにも高級なイメージの食材でも、産地、チルドorフローズン、部位によって全く値段が違います。
魚でも、聞いた事がない魚=希少価値があるように感じる方もいらっしゃると思いますが、市場に出回らない、セリで価値のつかないような魚(タダでもらえる魚)も沢山あります。
これらを価値のあるように見せる事、伝える事は容易です。だからファミレスや回転寿司でも高級な名前の食材が並べられてますよね。ネームバリューはあるけど低品質な食材をいかにも拘ってるようにレストランで提供している現状が見受けられます。言うならばグレーゾーンの食材です。何故か分かりませんが、フレンチや洋食の世界で使用される事が多いです。
日本料理屋さんやお鮨屋さんではグレーゾーンの食材は出されません。バレるからです。
フレンチや洋食みたいに形を変えたりソースにしたりすると、分からなくなる人が多いから、そういったグレーゾーンの食材を使う人が後を絶たないです。
フレンチがいまいちウケない理由はこういう部分が原因になってると私は考えます。
メリットは原価が安い、聞こえがいいから値段をつけられる、などがあります。
私はデメリットに焦点を当てて、使用しません。自分でも納得出来ない食材を使いたくない。嘘偽りのない食材、料理を提供する事を誓います。
"正直者が馬鹿を見る"
こんな言葉がありますが、まさにそういった事が起きていて、自分ももどかしいです。
・ご満足をしていただく為に、様々な事を犠牲にしてでもお客様へ還元しているお店
・低品質で安価な食材を、お店の雰囲気や言葉で上手く纏めて提供しているお店
語源化すると後者より前者が魅力に感じる方が多いのではないかと思いますが、こういう売り方をしている訳ではないので分かりませんね。分からない上に後者が多少安ければそちらを選択される方が多いのではないかと思います。
お店を始めて、この不条理に気づき、自分なりに戦ってはいますが、だんだん疲弊してきています。金額設定にはルールは無く其々のお店が決めていいです。つまり正解がない世界です。本当に難しいです。
順風満帆に見られがちですが、ずっと苦労が絶えません。マイナスをプラスに変換する力のある限り、また前を向いて進みます。
過去や現在で起きたことを教訓に、未来へ繋げて、お越しになるお客様がご満足いただけるようにこれからもより一層励んでまいります。皆様どうぞよろしくお願いいたします。
話が大きく逸れてしまいましたが、ご覧いただきありがとうございました。
ミザンセーヌ 山田侑欣
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